2014年

~退職後の医療・年金~

 在職中に健康保険や厚生年金保険の被保険者であった片が会社を退職後に必要な手続きを怠った場合、将来の年金受給権が発生しない等の事態が生じることがあるため、漏れがないようにしておきたいところです。
 退職後の医療、年金に関する手続について触れていきます。

1、医療

 退職後の医療保険制度の選択肢には次のものがあります。
 ・任意継続被保険者となる
 ・家族の被扶養者となる
 ・国民健康保険に加入する
 75歳以上の方は後期高齢者医療制度の対象となります。市町村にお問合せください。
(1)任意継続被保険者となる
 ① 要件等
 退職するまでに健康保険の被保険者期間が継続して2か月以上あった方は、退職後2年間、引き続き健康保険制度に加入することができます。
 ② 手続
 退職後20日以内に手続きをします。
 協会けんぽは各都道府県に支部がありますが、会社の所在地ではなく住所地を管轄する協会けんぽが窓口となることに注意を要します。
 健康保険組合加入者は健康保険組合にて手続きをします。
 ③ 保険料
 退職時の標準報酬月額に保険料率を乗じて算出します。
 標準報酬月額には上限が設けられており、協会けんぽの場合は「28万円」とされています。
 なお、在職中は会社が保険料の半額を負担していましたが、任意継続被保険者は全額を自己負担します。
 ④ その他
 被扶養者がいる場合は、同時に手続きを行うことにより被扶養者の健康保険証も発行されます。保険料は、在職中と同様に標準報酬月額に保険料率を乗じて算出しますので、被扶養者の数に応じて変動することはありません。

(2)家族の被扶養者となる
 ① 要件等
 健康保険に加入している家族(被保険者)の被扶養者になるには、被保険者の三親等内の親族で主として被保険者によって生計を維持されていること
 {年間収入が130万円(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円)未満であり、かつ、被保険者の収入額より少ない等}が条件です。
 ② 手続き
 被保険者が勤務している会社が行いますので、被扶養者が協会けんぽ等に対して手続きする必要はありません。
 ③ 保険料
 家族の被扶養者となる場合は、保険料負担が生じません。
 ④ その他
 退職後に雇用保険から基本手当て(日額3,612円以上)を受給しているときは、健康保険の被扶養者となることができません。
 この場合、受給中は国民健康保険の被保険者となる手続きをし、受給後(再就職先が見つからないとき)に健康保険の被扶養者となる手続きをします。

(3)国民健康保険に加入する
 ① 要件等
 前記(1)、(2)に該当しないときは、国民健康保険の被保険者となります。
 ② 手続き
 住所地の市区役所または町村役場で手続きします。
 ③ 保険料
 次の計算項目があります。
・所得割・・・前年所得に応じた額
・資産割・・・世帯の資産に応じた額
・均等割・・・世帯の加入者に応じた額
・平均割・・・世帯ごとに負担する額
 保険料率や計算方法は市区町村によって異なる(例えば「資産割」を設けていない等)ため、正確な年間保険料については各市区町村にお問合せください。
 また、会社都合による退職や災害、病気等により生活困難となっている場合は、保険料減免の対象となることがあります。
 (1)で触れた任意継続被保険者は退職後20日以内に手続きすることが要件とされているため、(1)の任意継続穂保険者または(3)の国民健康保険の被保険者を選択したときの保険料試算を早めに行い、退職後の制度を選択する準備を進めておくとよいでしょう。

2、年金

 退職後の年金制度は、年齢により手続きの有無が異なります。
(1)第1号被保険者となる
 ① 要件等
 国内に居住する20歳以上60歳未満の方は、国民年金の第1号被保険者となります(後述する第3号被保険者に該当するときを除きます。)。
 ② 手続き
 退職日の翌日から14日以内に住所地の市区役所または町村役場で手続きします。
 ③ 保険料
 平成26年度は1万5,250円です。また、月額400円の付加保険料を納付し、将来受け取る年金額を増額することもできます(国民年金基金の加入員を除く)。
 毎月決まった額を納付しますが、割引が適用される前納制度(半年又は1年分及び2年分(口座振替のみ)を一括納付)や口座振替などの様々な納付方法も用意されています。
 収入の減少や失業等により保険料を納めることが経済的に難しいときは、免除制度もありますので、退職後の手続きをするときに市区町村にお問合せください。

(2)第3号被保険者となる
 ① 要件等
 厚生年金保険や共済組合に加入している被保険者等に生計を維持される20歳以上60歳未満の配偶者は、国民年金の第3号被保険者となります。
 生計維持の判断は、健康保険の被扶養者と同様に基準によります。
 (注) 65歳以上で、老齢年金の受給権を有する被保険者は除きます。そのような方に扶養されている場合は、第3号被保険者とならず、第1号被保険者として手続きをします。
 ② 手続き
 配偶者が勤務している事業所経由で手続きしますので、第3号被保険者となる方が直接年金事務所にて手続きをする必要はありません。
 ③ 保険料
 第3号被保険者は、保険料負担が生じません。 
 (注) 第3号被保険者の保険料相当額は、配偶者が加入している厚生年金保険や共済組合から国民年金制度に対して拠出される仕組みになっています。 

(3)任意加入する
 ① 要件等
 60歳以上の方は、第1号被保険者や第3号被保険者に該当することはありませんが、老齢基礎年金を受けるために必要な受給資格期間を満たしていないときや、保険料納付済期間が短く年金額が低額となる可能性がある方は、65歳になるまで任意加入をすることができます。
 (注) 特例として、昭和40年4月1日以前生まれで老齢年金の受給資格期間を満たしていない方は、受給資格期間を満たすまで(上限70歳)、任意加入することができます。
 ② 手続き
 住所地の市区役所または町村役場で手続きをします。
 ③ 保険料
 第1号被保険者と同じ金額ですが、保険料の免除制度はありません。また、60歳以上の方は、原則として口座振替により納付することとされています。

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