2015年

~平成27年度 税制改正後の生前贈与の留意点~

 平成27年1月より相続税の課税が強化されたのを機に、生前贈与が注目されています。
 また、住宅取得資金や教育資金の一括贈与といった特例が拡充傾向にあるほか、さらに平成27年から結婚・出産・育児費用の一括贈与も非課税措置が認められるなど、ますます身近なものとなってきたことから、適用要件や留意点を抑えておきたいものです。
 そこで、今回は、活用できる生前贈与の特例について創設順に特徴を整理してみます(図表1)。

1、暦年贈与

 一人が1年間に贈与された財産が110万円までは基礎控除がありますので、非課税となります。
 ただし、相手方が贈与契約を理解できることと、贈与後の財産に贈与者の支配権がないことが必要です。

2、贈与税の配偶者控除

 婚姻関係が20年以上など一定の要件を満たす配偶者に対して、居住用の不動産又はそれを取得するための資金を贈与したときは、贈与税については、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円の控除があります。
 一般的には、自宅の土地・建物を贈与しますが、土地だけ、建物だけ、その組合せなど自由に決められるので、2,110万円を目安に持分登記するのが賢い選択です。

3、相続時精算課税制度

 この制度を選択すると、2,500万円までとりあえず贈与税を課税されずに財産移転が行えますが、言葉通りに相続時に相続財産に含めて精算する必要があります(図表2)。
 注意点としては、贈与を受けた時点の評価(時価)で相続時に精算するので、時価が上昇するものは有利となりますが、家屋のように時価評価が下がっていくものは、不利となります。
 いずれにしても、節税策という意味合いのものではありませんので、制度を十分理解しておく必要があります。

4、住宅取得等資金の贈与

 個人消費の拡大を通じた景気対策として平成21年に創設されたもので、図表3のように規模が拡大していますが、政策的に金額が変動しています。

5、教育資金の一括贈与

 平成25年度税制改正で創設された制度ですが、政策的効果が上がっていることを受けて、平成27年度税制改正により、①通学定期券代、②留学渡航費用が対象範囲に含まれるとともに、平成31年3月まで制度が延長されました。

6、結婚・子育て資金の一括贈与

 少子化対策に資するため、金銭等の一括贈与により若年層の経済的不安を解消し、結婚・出産を後押しすることを目的として、平成27年度税制改正で設けられた制度です(図表4)。

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