2016年

~平成28年度税制改正で創設された
法人関係の減税措置~

 平成28年度税制改正により、法人関係の減税措置として新たに設けられた制度があります。今回は、創設された制度のポイントをQ&A方式で整理してみます。

Ⅰ、機械及び装置の固定資産税の特例措置の創設

(制度創設の趣旨)
Q1、中小企業等が新しい機械及び装置を取得した場合、固定資産税の優遇措置が受けられる制度が創設されたようですが、創設理由を教えて下さい。
A1、固定資産税を国際比較すると、海外では機械措置の償却資産に課税している国は少なく、課税している国の中でも、廃止する動きが出ています。また、企業としては設備コストの上乗せとなり、国内投資の阻害要因の一つとなっていることに加え、赤字法人も課税対象とされている固定資産税を軽減することで、赤字比率の高い中小企業に大きな効果をもたらすことが期待できます。
 そこで、中小企業による設備投資の促進を図るため、固定資産税で初めて設備投資減税が設けられました。

(制度の内容)
Q2、固定資産税の特例措置の内容を具体的に説明して下さい。
A2、制度内容は、次のとおりです。
(1)概要
中小企業者等が、本年5月に成立した中小企業等経営強化法に規定する認定経営力向上計画に記載された経営力向上設備のうち、一定の機会及び装置を新たに取得した場合、機械等の固定資産税の課税標準を最初の3年間2分の1(半額)とする時限的な特例措置が講じられました。
※なお、固定資産税は市町村財政を支える安定した基幹税であることに鑑み、償却資産に対する固定資産税の制度は堅持されています。

(2)対象者
次の要件を満たす中小企業者等が特例措置の対象となります。
①資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
②資本金若しくは出資を有しない法人の場合、常時使用する従業員の数が1千人以下の法人
③常時使用する従業員の数が1千人以下の個人

(3)対象機械・装置
 認定経営力向上計画に基づき取得する新規の機会及び装置で、次の①から③までのいずれにも該当するもの(新品)
①販売開始から10年以内のもの
②旧モデル比で生産性(単位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効果率等)が、年平均1%以上向上するもの
③1台又は1基の取得価格が160万円以上のもの

(適用時期)
Q3、適用時期は、いつからとなりますか。
A3、中小企業等経営強化法の施行日から平成31年3月31日までに取得したものについて適用されます(図表1参照)。

Ⅱ、企業版ふるさと納税の創設

(制度創設の趣旨)
Q4、企業版ふるさと納税制度の創設の趣旨を教えて下さい。
A4、日本は世界に先駆けて「人口減少・超高齢化社会」を迎えており、「人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させる」という悪循環の連鎖に陥ることが懸念されています。そのため、地域経済の活性化が急務となっています。そこで、図表2のように、「地方版総合戦略」に位置付けられた、地方公共団体が行う地方創生を推進する上で効果の高い事業として、内閣府が認定した事業に対して企業が行う10万円からの寄附について、従来の損金算入措置に加え、法人事業税等から税額控除にすることができる地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)が創設されました。

(制度の内容)
Q5、制度の内容を説明して下さい。
A5、青色申告書を提出する法人が、地方公共団体が行う、まち・ひと・しごと創生事業に関連する寄付金を支出した場合に、従来の損金算入措置(地方公共団体に対する寄付金の損金算入)に加えて、①法人事業税額から寄附金額の10%、②法人住民税額から寄附金額の20%、③寄附金額の20%のうち法人住民税額から控除しきれなかった金額とその支出した寄附金額の10%のうちいずれか少ない金額の法人税額控除ができます。各種控除額は、当期の法人事業税額の20%(平成29年度以降は15%)、道府県民税法人税割額の20%、市町村民税法人税割額の20%、法人税額の5%が上限とされています。
なお、地方交付税の不交付団体で、三大都市圏の中心部にある地方公共団体は、この制度の対象外です。また、企業の本店など主たる事務所のある地方公共団体への寄附も対象になりません。

(適用時期)
Q6、適用時期はいつからですか。
A6、平成28年4月20日から平成32年3月31日までの間の寄付金の支出について適用されます。

 

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