税務ニュース

~銀行融資について~

 金融機関が重視するポイント
 銀行からの融資は、事業を継続していくうえでは切っても切り離せないものです。でも融資獲得を重視するあまり、いつのまにか融資を受けることだけが、目的となっていたりしませんか?
 実際には、準備が不足していたり、知識が不足しているが故に、融資の手続きに疲れて面倒くさくなり、融資を受けること自体が目的に摺り変わってしまうことが多いのです。融資を受けることは本来、事業の目的を達成するための一つの手段にすぎません。
 事業を進めていく究極の目的は、「お客様に喜んでもらえる商品やサービスを提供し、利益を生み出す」ということです。
これを忘れてはいけません。また、借入れではなくリスケジュールの交渉を銀行と行う際でも同じです。金融機関が何を重視しているのか、資金使途と返済条件の関係(とりわけ、資金使途に合わない返済条件で借入をしていないか)など、銀行融資について理解しておくことが非常に有益です。


◎融資を受けるための三つのポイント

 目的達成の重要な手段である「融資」をスムーズに受けるためには、金融機関が重視しているポイントを考えてみるとよいでしょう。
 銀行融資に際して、金融機関が重要視しているポイントは、資金使途の明確化と返済原資、担保(保全面)です。融資の審査においても、この三つの観点からの審査が中心となります。

1・資金使途の明確化

 資金使途明確化の観点からは、資金を必要とする背景つまり融資事由と、具体的に必要とする資金の額や借入希望金額の妥当性について検討していきます。なぜ融資が必要なのか、具体的に説明できますか。
 わかりやすく言うと、「何に使うのか」「いくら必要なのか」を経営者は確実に把握しておかなくてはなりません。
 設備資金の融資が希望であれば、その設備がなぜ必要なのか、今の設備ではだめなのか、その設備投資によってどの位の期間で、いくらの利益を生み出すことができるのか、ということを、説得力のある具体的な数字で説明することが必要です。
 新商品のための開発費用・広告宣伝費・仕入代金等も同様です。運転資金であれば、経営者の認識が、単に「運転資金」というだけではいけません。本来は、営業活動は仕入・販売・経費支払いのくり返しですから、運転資金は不足しないはずです。それでも不足するのは、売上代金の回収と仕入代金支払の期間のタイムラグの存在が、大きな理由の一つです。タイムラグが原因であれば、具体的な支払日・代金回収予定日・金額を把握した上で、融資の必要金額を吟味し、説明することが重要なのです。

2・返済原資

 済原資の観点からは、資金需要の原因に対応する返済財源や返済計画の妥当について検討します。
 借入で調達した資金は、「絶対返済しなければならない、そして調達コストがかかる」ということを常に認識すれば、必然的に融資の必要性を、具体的に把握することになるでしょう。借りたお金は必ず返す必要があります。まずは、自分がお金を貸す立場になって冷静に考えてみてください。恐らく、普通であれば、「貸したお金がしっかり返済されるか」という点が、一番心配になる点だと思います。金融機関でも全く同じです。
 あなたの人格やビジネスに対しての意気込みは認めても、何よりも返済を滞りなくできるだけの収益が本当にこのビジネスで見込めるかどうかを基準に、融資の判断を行っていきます。したがって融資を受ける際は、どのような方法で利益を出し、返済原資をどのように捻出するのかを、具体的に自分の言葉で説明できなければなりません。
 最も有効なのは、資金繰り表を作って返済財源がしっかりとあることを示し説明することです。

3・担保の観点

 担保の観点からは、保全不足の場合、追加担保の要求や信用保証協会の利用、有力保証人の追加などの検討が行われます。
 仮に返済原資がしっかり見込まれるものだとしても、金融機関は「もしそれが崩れたら」といった観点から保全を求めます。事業内容の担保だけではなかなか融資額の限りがあるのが日本の金融機関の融資の現状です。

4・その他

 前記1~3が重要なのはもちろんですが、それ以外に普段からどのようなことを注意しておけばよいでしょうか。1~3の信用に加えて、以下の要件も非常に重要となってきます。

①試算表や資金繰り表を定期的に金融機関に提出する・・・会社の業績や資金繰りに関する理解が高まれば高まるほど、融資審査は有利となります。財務情報は隠さず明らかにする。これによって逆に金融機関側から先に融資の提案が、ある場合もあります。提供する情報量や内容に応じて、融資は有利になる可能性が高いと考えてください。

②税金は滞納しない・・・あたり前のことですが、税金、社会保険料、公共料金を滞納していれば、銀行はなかなかお金を貸してくれません。公的な機関からの融資や保証も同じです。このため知人等から一時的に借りてでも納付すべきです。
一時的に調達したお金は、銀行からお金を借りることができたら、返済すればよいでしょう。

③関連会社がある場合には、関連会社との関係を明確にする・・・関連会社がある場合、金融機関は、融資した資金がその関連会社に流用されてしまうのではないかと疑います。関連会社の事業内容や財務状況は、積極的に説明しておく必要があります。直接関連がないのだからと関連会社の決算報告書を拒む経営者も多くいますが、積極的に開示・説明したほうが信用力はあがります。

④交渉は担当者任せにしない・・・交渉や面談を、担当者任せにする経営者も多いようですが、経営者自らがされることをお勧めします。経営者自らが説明することで、金融機関に対しても信用度が高まります。

⑤金融機関から融資を受けやすい決算書を作る・・・金融機関は、すべての会社を格付けしています。格付けが上の会社ほど、融資には有利です。金融機関の格付けは、決算書でほぼ決まります。粉飾しろということではなく、損益計算書や貸借対照表の上できっちりした表示がされた決算書を作るという意味です。例えば突発的な営業外の特別な損失を雑損失と表示している決算書がよくみられます。これによって本来の営業利益はプラスなのに、決算書の表面上、営業損失が大きく計上されてしまったりすると大きなマイナス評価になってしまいます。その辺をしっかり確認しておきましょう。

⑥融資を受ける金融機関には入出金の多い口座を解説する・・・入金や支払いなどの資金の動きの多い口座を融資を受ける金融機関に開設していると、売上入金や経費の支払いの動きがわかりますので、融資申し込み会社に対する金融機関の理解が高まり、信用性が出て融資を受けやすくなります。

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